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 最近、労働基準監督署より「是正勧告」を受けて、どう対処したらいいかお困りの社長様もいらっしゃる

のではないでしょうか。そこで、簡単に是正勧告の概要と対処法について説明しようと思います。

労働基準監督署の是正勧告とは?

  労働基準監督署の労働基準監督官は、下記条文を根拠に、労働基準法や労働安全衛生法等の法違

反があるかどうかを調べるために事業場へ臨検(立ち入り調査)を行う権限が与えられています。

★労働基準法第101条第1項

  労働基準監督官は、事業場、寄宿舎その他の附属建設物に臨検し、帳簿及び書類の提出を求

 め、又は使用者若しくは労働者に対して尋問を行うことができる。

★  々  第104条第1項

  事業場に、この法律又はこの法律に基いて発する命令に違反する事実がある場合において

は、労働者は、その事実を行政官庁又は労働基準監督官に申告することができる。

  

  この臨検は、どのような場合に行われるのでしょうか。

  • 労働基準監督署が過去の監督指導結果、各種の情報を基に定期的に、原則として予告なしで行う。   (定期監督)
  • 労働基準法第104条第1項に基づき、労働者から法令違反等の申告が労働基準監督署にあったと
    きに行われる。予告のある場合と、ない場合がある。(申告監督) 
  • 一定程度以上の労働災害が発生したときに行われる。原則予告なし。(災害時監督)
  •  

 つまり、予告がある場合を除けば、臨検がいつ行われるかは分からないのです。今日や明日、突然に

調査が入らないとも限らないわけです。

 しかし、従業員が死亡したり、重篤な傷病にかかったりするようなケースを除けば、いきなり送検などの

司法処分が下されることは稀です。その前段階として、労働条件や安全衛生等の面で改善・是正の余地が

あると労働基準監督官が判断すれば、書面による是正勧告が発せられるのです。これは、行政指導という

位置づけで法的拘束力はありません。かといって、放っておくとか無視する、などということはしない方が

賢明です。

是正勧告の対処法・ご相談

 とにかく、誠意をもって対応することに尽きると思います。たとえ法的拘束力のない行政指導とはいえ、

放っておく、無視する、誤魔化すなどの行為は労基法等の違反状態を放置しているとみなされ、労働基準

監督官は労基法等の労働法規に関する罪においては司法警察官としての権限を持っていますので(労基

法第102条)、悪質と判断されれば送検に至る可能性もあります。

 是正勧告の内容によっては、どう対処したらいいか分からない、或いは迷ってしまうこともおありかも知

れません。そのような場合はどうぞご遠慮なく、当事務所までご相談下さい。(なるべくなら、是正期日まで

ある程度時間的余裕をもってご相談いただく方がよろしいかと思います。)

熱中症対策について

  昨今、地球温暖化の傾向にあり、都市部を中心に夏の気温が年々上がってきております。これに伴い、

高齢者や子どもをはじめ、熱中症により救急搬送されたり、最悪の場合死に至るといった報道を目にする

ことが多くなってきました。労働の現場においても例外ではありません。ここでは、労働の現場における熱

中症対策について取り上げようと思います。

 熱中症とは

 

 ●高温環境下で、体内の水分や塩分などのバランスが崩れたり、体温の調整機能が破綻するなどして、
  発症する障害の総称

 ●死に至る可能性の病態

 ●予防法を知っていれば防ぐことができる

 ●応急処置を知っていれば救命できる

 

(環境省熱中症環境保健マニュアル2011年5月改訂版より引用)

 

 医学的に見れば、症状などにより次のように分類されるそうです。

 熱失神(重症度Ⅰ度)

  長時間暑い中で活動すると、突然の意識の消失(めまい、一過性の失神)が発症。体温は正常であるこ

 とが多く、発汗がみられ、脈拍は徐脈を呈する。通常は数十分から数時間で回復する。

② 熱けいれん(重症度Ⅰ度)

  大量の発汗後に水分だけを補給して、塩分やミネラルが不足した場合に、こむら返りといったけいれん

 が発症する。

③ 熱疲労(重症度Ⅱ度) 

  多量の発汗に水分・塩分補給が追いつかず、脱水症状になったときに発生する。末梢の循環が悪く

 なり、極度の脱力状態となる。体温は39℃程度まで上昇し、発汗がみられるが、皮膚は冷たい。

④ 熱射病(重症度Ⅲ度)

  高度の意識障害が生じ、体温が40℃以上まで上昇するが、発汗はみられず、皮膚は乾燥している。

 重症度は、Ⅰ度では現場の応急処置で対処できる程度、Ⅱ度では救急搬送を必要とする程度、Ⅲ度は

 入院して集中治療を必要とする程度の症状です。

 

 近年の大阪の夏の気温と、職場における熱中症の発生状況

  近年の大阪の夏の気温を平年値(1981年〜2010年までの30年間の平均値)という指標でみると、最高

気温が30℃以上の真夏日が73.2日、最高気温が35℃以上の猛暑日が11.6日、最低気温が25℃以上

の熱帯夜が37.4日となっています。2010年の猛暑では、真夏日82日、猛暑日31日、熱帯夜55日が観

測されました。

 熱中症による労災の療養補償給付件数と、労働者死傷病報告書(休業4日以上)の提出件数をみると

以下のようになっています。

労働者死傷病報告書(休業4日以上)提出件数

平成18年 平成19年 平成20年 平成21年 平成22年 平成23年

全国件数

(死亡件数)

269

(17)

229

(18)

265

(17)

146

(8)

683

(47)

382

(18)

大阪府内の件数

(同上)

20

(2)

25

(1)

15

(0)

(1)

33

(1)

16

(1)

労災療養補償の給付件数

平成18年 平成19年 平成20年 平成21年 平成22年 平成23年
療養補償給付件数(大阪府内) 146 245 273 134 586 240

 

 熱中症による労働災害の件数を業種別にみると、療養補償給付件数では建設業と製造業で全体の

約4分の3、休業4日以上の件数では建設業と製造業で全体の約2分の1を占めています。

 また、気温との関係でみると、もちろん気温が高くなるにつれ発生が多くなる傾向がありますが、

気温よりも重要視されている指標がWBGT(湿球黒球温度・wet bulb glove temperature)値です。

 WBGT=0.7×湿球温度+0.3×黒球温度(屋内または屋外で太陽照射がない場合)

 WBGT=0.7×湿球温度+0.2×黒球温度+0.1×乾球温度(屋外で太陽照射がある場合)

概ね気温30℃、WBGT値25℃くらいから熱中症の発生が見られ、気温33℃、WBGT値28℃くらいから

は熱中症要警戒レベルといえよう。ヒトの暑熱に対する感じ方は相対的なものなので、暑さにどれだけ慣れ

ているか、というのも大きな要素となる。前々日・前日に比べて急に気温が上昇したときや、お盆休み明け

で一定程度以上暑いときは特に熱中症が発生しやすいので要注意です。「高温注意情報」、「異常天候早

期警戒情報」などの気象情報を気象庁HPで入手しておくとよいでしょう。

 

 職場における熱中症の予防対策

① 作業環境管理

  ○屋外作業では、風通しの良い所に日よけを設ける。

  ○屋内作業では、冷房により室温・WBGT値を調整する。

  ○できるならば、ミスト発生装置を利用するか散水により気温上昇を抑える。

  ○涼しい場所に休憩場所を確保(ただし、涼し過ぎてもダメ。作業環境との気温差は概ね7℃未満がよい

               とされている。)

 ○氷、冷たい飲み物、おしぼり等を用意(冷たい飲み物は、ナトリウム入りのスポーツドリンクが望まし

                   い)

 ○作業場所の気温・湿度・WBGT値を適切に把握し、管理する。

② 作業管理

  ○原則一人で作業させない。やむをえない場合は、責任者が定期的に巡視するなどの措置をとる。

  (作業時だけでなく、軽度の熱中症発生後木陰などの涼しいところで休息させる場合も同じ。) 

  ○休憩を頻繁にとり、水分補給をこまめに行う。 

  ○作業服はできるだけ通気性のよいものを。

  ○気温が急上昇しそうな日の作業強度、作業継続時間などには特に配慮する。

  (暑さに慣れていない場合が多く、熱中症の発生が目立って増える。)  

③ 健康管理

  ○普段の健康管理

    ・糖尿病、高血圧、心臓病や慢性の腎臓病などの持病がある作業者は、産業医やかかりつけ医と相談

    の上、暑熱環境下での作業について指示を受けておく。

    ・普段から睡眠時間を十分にとる

    ・前日の晩の深酒は極力避ける。

    ・朝食を欠かさず摂り、栄養不足にならないように注意する。

  ○始業前の健康チェック

  ○仕事中の健康チェック

    ・作業者個々の体重、体温、脈拍数、心拍数を把握できるようにし、異常が見受けられる場合は作業

    を中止する。

 以上のことに留意して、節電も求められる来たるべく暑い夏を、できるだけ労働災害の発生が少なく抑

えられ、我々個々人が健康を維持して乗り切れるように日々暮らしてまいりましょう。

パワハラとこれに起因する労災認定基準について

▼職場のパワーハラスメントにあたる行動類型が定義されました。

平成24年1月30日、「職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議ワーキンググループ」において、職

場のパワーハラスメントの予防・解決に向けた労使や関係者の取組を支援するために、その概念や取組

例を整理する、として報告がなされました。テレビや新聞の報道などを通じて目にされた方も多いかと思わ

れます。これまで、パワーハラスメントを定義する明文化された法律さえなかった状態でしたので、一歩前

進といえるのではないでしょうか。以下に、この報告の概要を示したいと思います。

 

Ⅰ. 職場のいじめ・嫌がらせ、パワーハラスメントについて

   労働者の尊厳や人格を侵害する許されない行為。その直接当事者だけでなく、企業にとっても損失が

  大きい。この予防・解決に取り組むことにより、従業員の仕事に対する意欲や職場全体の生産性の向

  上にも貢献し、職場の活力につながる。

 

Ⅱ.  職場のパワーハラスメントに当たりうる行為類型を以下のように例示

  ① 身体的な攻撃 (暴行・傷害)

  ② 精神的な攻撃 (脅迫・名誉毀損・侮辱・ひどい暴言)

  ③ 人間関係からの切り離し (隔離・仲間はずし・無視)

  ④ 過大な要求 (業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制、仕事の妨害)

  ⑤ 過小な要求 (業務上の合理性なく、能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや仕事

          を与えないこと)

  ⑥ 個の侵害 (私的なことに過度に立ち入ること)

 

Ⅲ.  パワーハラスメントをなくすには

  予防するために

   ●トップのメッセージ

   ●ルールを決める

   ●実態を把握する

   ●教育する

   ●周知する

  解決するために

   ●相談や解決の場を設置する

   ●再発を防止する 

 

詳しくは…

    職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議ワーキング・グループ報告(厚生労働省HPより)

   http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000021i2v-att/2r98520000021i4l.pdf

 

    職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議ワーキング・グループ報告 参考資料集
                                                                                                                               (厚生労働省HPより)

   http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000021i2v-att/2r98520000021iio.pdf

パワーハラスメント他が原因となる精神疾患により、療養、療養による休業を余儀なくされた場合などに

おける労災の認定に関しては、平成23年12月26日、厚生労働省労働基準局長から「心理的負荷によ

る精神障害の労災認定基準」 が都道府県労働局長宛に通知された。

  心理的負荷による業務起因性を判断する要件としては、

①  対象疾病の発病の有無

②  発病時期、疾患名の明確な医学的判断

③  原則として概ね発病前6ヶ月間に業務による強い心理的負荷が認められること(パワハラ行為が6ヶ月

 を超えて継続する場合は、実態に即して6ヶ月を超えてその心理的負価を評価する場合もある。)

  ただし、明らかに業務以外の心理的負荷による場合や、個体側要因(既往症等)によって発症した

 場合などは業務起因性が認められない。
                       ↓ 

   この強い心理的負荷を客観的に判断する指標として「業務による心理的負荷評価表」がある。

 当該評価表によると、例えばパワハラの場合、

 「強」・ 部下に対する上司の言動が、業務指導の範囲を逸脱しており、その中に人格や人間性を否定す

     るような言動が含まれ、かつ、これが執拗に行われた。

       ・  同僚等による多人数が結託してその人格や人間性を否定するような言動が執拗に行われた。

        ・  治療を要する程度の暴行を受けた。

  「中」・  上司の叱責の過程で業務指導の範囲を逸脱した発言があったが、これが継続していない。

     ・  同僚等が結託して嫌がらせを行ったが、これが継続していない

 「弱」・  複数の同僚等の発言により不快感を覚えた(客観的には嫌がらせ、いじめとはいえないものも

     含む)

  このような出来事と、出来事後の状況を総合的に評価して判断される。出来事が「中」、「弱」程度の

場合は、専門医等の意見をふまえ当否が判断される。

  また、発病後であっても、特に強い心理的負荷により精神障害が悪化した場合には、これを新たに

労災の対象とする。 

 

 心理的負荷による精神障害の認定基準の概要(厚生労働省HPより)

  http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001z3zj-att/2r9852000001z43b.pdf

 心理的負荷による精神障害の認定基準について(厚生労働省HPより)

   http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001z3zj-att/2r9852000001z43h.pdf

労働契約の無期転換ルールについて

有期契約労働者の雇用の安定を図るため、改正労働契約法により、平成25年4月
1日に無期転換ルールが施行されました。このルールに基づき「無期転換申込権」
の発生が本格的に見込まれる平成30年4月まで、ついに1か月を切りました!
 無期転換ルールは、企業にとっても、有期労働契約で働く方にとっても、大きな
変化が生じる大切なルールです。企業の皆さまにおかれましては、もう準備はお済
みでしょうか。無期転換ルールへの対応については、人事労務の在り方を見直すき
っかけとして捉えることが必要です。また、人事制度の検討や関係諸規定の整備等
には一定の時間を要することから、まだ準備がお済みでない場合は、早急なご対応
をお願いします。
 無期転換の申込みが本格的に始まる直前の今、やるべきことや注意点などについ
て解説します。


■無期転換ルールとは

 ○ルールの概要
   同一の使用者との間で締結した有期労働契約で、平成25年4月1日以降に開
  始したものについて、更新して通算契約期間が5年を超えた場合、労働者の申
  込みにより、期間の定めのない労働契約(無期労働契約)に転換するルールで
  す。
   平成25年4月1日からカウントして5年を超える平成30年4月1日以降、多
  くの有期労働契約で働く方に無期転換申込権の発生が見込まれています。

 ○対象となる方
   無期転換ルールの対象は、有期労働契約で働く全ての方々です。契約社員、
  アルバイト、派遣社員などの名称は問わず、定年後に引き続き雇用される嘱託
  社員など、高齢の方も対象となります。

 ○通算期間のカウントと無期転換の申込み
   通算5年のカウントは、平成25年4月1日以降に開始した有期労働契約が対
  象です。例えば、平成24年10月1日に、平成24年10月1日から平成25年9月30
  日までの1年間の有期労働契約を締結し、平成25年10月1日に契約を更新した
  場合、平成25年10月1日以降の契約期間からカウントします。無期転換の申込
  みは、通算契約期間が5年を超えた場合、その有期労働契約の初日から末日ま
  での間に行うことができます。
   労働者が無期転換の申込みをすると、会社がそれを承諾したものとみなされ
  るため、会社は断ることができません。無期労働契約は申込時に成立しますが、
  その開始日は「申込時の有期労働契約が終了する日の翌日から」となります。


■今、会社がやるべきことは? 
  ○無期転換後の労働条件を検討し、就業規則などを整備しましょう
   無期転換後の労働条件(職務の内容、勤務地、賃金、労働時間など)は、会
  社の就業規則や労働契約などで別段の定めがない限り、直前の有期労働契約と
  同じ労働条件となります。そのため、別段の定めを行うか否かも含め、無期転
  換後の労働条件を検討し、就業規則などの規定を整備する必要があります。特
  に定年など、有期契約労働者に通常は定められていない労働条件を適用する場
  合は、適切に設定の上、あらかじめ明確化しておく必要があります。
   また、円滑な導入を図るため、制度の検討時から労使で協議することや、無
  期労働契約への転換の申込みができることを、事前に有期労働契約で働く方に
  説明することも重要です。

  ○別段の定めについて
   無期転換後の労働条件を検討するに当たり、「別段の定め」を行う場合、就
  業規則などの規定を整備する必要がある旨は上記で記載した通りです。この「
  別段の定め」について、無期労働契約への転換に当たり、職務の内容などが変
  更されないにも関わらず、無期転換後の労働条件を以前よりも低下させること
  は、無期転換を円滑に進める観点から望ましいものではありません。
   なお、就業規則により別段の定めを行う場合においては、労働契約法第7条、
  第9条、第10条までに定められている就業規則法理が適用され、不必要・不合
  理な労働条件の変更は認められない場合があります。

 

■無期転換ルールへの対応に当たっての注意点
 ○雇止め法理について
   雇止めが有効か否かは、労働契約法第19条の「雇止め法理」に基づき判断さ
  れ、有期労働契約が次の①、②のいずれかに該当する場合に、使用者が雇止め
  をすることが、「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認め
  られないとき」は、その雇止めは無効とされます。雇止めが無効とされた場合、
  以前と同じ労働条件で、有期労働契約が更新されます。

  ①過去に反復更新された有期労働契約で、その雇止めが無期労働契約の解雇と
   社会通念上同じだと認められるもの
  ②労働者において、有期労働契約の契約期間の満了時にその有期労働契約が更
   新されるものと期待することについて合理的な理由があると認められるもの

○雇止め等への対応は慎重に!
   無期転換ルールを避けることを目的として、無期転換申込権が発生する前に
     雇止めをすることは、労働契約法の趣旨に照らして望ましいものではありませ
  ん。また、有期労働契約の満了前に使用者が更新年限や更新回数の上限などを
  一方的に設けたとしても、雇止めをすることは許されない場合もありますので、
  慎重な対応が必要です。

○クーリングについて
   同一の使用者との間で有期労働契約を締結していない期間(退職し、労働契
  約のない期間=「無契約期間」)が、一定以上続いた場合、それ以前の契約期
  間は通算対象から除外されます(このことを「クーリング」と呼びます)。
   この制度は、例えば、有期労働契約を締結し数年間働いた労働者が、一定期
  間を経過した後に再度同じ企業で働こうとした場合に、企業側が雇うことを躊
  躇(ちゅうちょ)する恐れや、通算された期間の記録等を永久に保存しなけれ
  ばならないという実務上の問題等が生じることを防ぐために設けられました。
   無期転換ルールを避けることを目的として、例えば労働者を長期に雇用する
  ことを前提としているにも関わらず、無期転換ルールの適用を意図的に避ける
  目的でクーリング期間の前に雇止めをしている場合などについては、無期転換
  ルールの趣旨に照らして適切ではなく、雇止めを行うことは許されない場合も
  ありますので、慎重に対応いただきますようご留意ください。


 

■継続雇用の高齢者に関する無期転換ルールの特例
  定年後に引き続き雇用される有期契約労働者(継続雇用の高齢者)も、有期労
 働契約が通算5年を超えた場合は、無期労働契約への転換を申し込むことができ
 ます。
  ただし、次の①、②の条件下にある対象者には、その事業主に定年後引き続き
 雇用される期間について、無期転換申込権が発生しない特例が設けられています
 (有期雇用特別措置法)。

 ①適切な雇用管理に関する計画を作成し、都道府県労働局長の認定を受けた事業
  主の下で、
 ②定年後引き続いて雇用される有期契約労働者(継続雇用の高齢者)

 現在、この特例に関する申請が全国的に増加していることから、認定を受けるまでには通常よりも時間がかかる場合があります。

 

■無期転換後の定年の定めについて
  無期転換後の労働者との労働契約において、定年を定めることは可能です。
  もっとも、就業規則における定年の定めについては、労働契約法第7条、第9
 条第10条に定められている就業規則法理の適用を受けるものであることに留意が
 必要です(※)。無期転換ルールの趣旨も踏まえ、労使でよく話し合って十分な
 理解を得た上で、適切な労働条件の設定(定年の定め)をお願いします。
 (※)例えば65歳で無期転換した者の定年を66歳とするような場合など、無期契
    約に転換するという無期転換ルールの趣旨を没却させるような目的で定年
    の定めを行うことは、法の趣旨に照らして望ましいものとは言えません。

(厚労省人事労務メルマガより引用)

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